世界の再エネ発電導入状況 | 再エネが進んでいる国はどこ？

皆さん、こんにちは。

以前の再生可能エネルギーの記事では、その高いポテンシャルと日本における導入量をご紹介しましたが、世界の導入量はどうなっているでしょうか。また、世界における日本の位置も併せて確認してみましょう。本記事のデータは、BPが公開する「Statistical Review of World Energy 2020」⁽¹⁾⁽²⁾を元に作成しております。

世界の再エネ発電導入量
まとめ
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世界の再エネ発電導入量

再エネ発電割合

最初に世界の再エネ発電の割合を見てみましょう。総発電量は7,028TWhで、その6割を水力発電が占めています。続いて、風力2割・太陽光1割と続きます。ちなみに日本は太陽光が一番多く39%で、続いて水力38%・風力が4%です。日本は太陽光発電の導入量が多いため、再エネと言えば太陽光のイメージが強いかも知れませんが、世界的には風力の方が普及が発電量が多いです。

各国の導入量合計

世界の再生可能エネルギー発電導入状況（水力を除く）ですが、下の図で示す通り中国・アメリカが抜きんでており、以下ドイツ・インド・日本と続きます。みなさん、この結果は意外では無かったでしょうか？中国やアメリカは、その言動などから再エネ普及にあまり前向きでない印象がありますが（私の個人的な印象ですが）、実は再エネの導入量は多いです。また、こちらもあまり印象が無いかも知れませんが、インドも上位に食い込んでいます。そして日本ですが、皆さんの印象と比較していかがでしょうか？昨今、日本の再エネ導入は欧州と比較して遅れているという話をよく聞きますし、そういう側面もあるかと思いますが、実は導入量はそれなりに高いです。

電源に占める割合

それでは、電源に占める再エネの割合はどうでしょうか？先ほどの再エネ発電量が多い国は、比較的人口が多い国が上位になっているため、再エネの発電量が多いのも自然な流れと言えます。そこで、再エネ発電量を全体の発電量で割り返した数値を調べてみると、以下のように1～10位全てがヨーロッパの国々が占める結果となります。また、15位まで調べても欧州以外は11位のチリと13位のニュージーランドだけです。ヨーロッパの再エネ普及が進んでいると言われるゆえんは、正にここにあると言ってよいでしょう。日本はと言いますと、11.7%で31位に甘んじている状況です。

太陽光導入量

次に、電源別の導入量を確認していきたいと思います。まずは太陽光発電ですが、こちらは中国が2位アメリカの倍以上の導入量で圧倒的です。中国は太陽光パネルの生産・出荷量⁽³⁾も多く、その品質も最近良くなってきたとの業界関係者の話も聞きます（そのコスト競争力から、多くの日本国産パネルメーカが撤退を余儀なくされています）。そして日本ですが、アメリカに次ぐ3位と善戦しております。このことから、日本は有力な太陽光パネル市場と言えますが、国産パネルがなかなか育たず海外勢に押されている点は残念だと感じます。

風力導入量

それでは、風力発電はどうでしょうか？こちらも、やはり中国とアメリカが他を圧倒しています。日本ですが、8.6TWhで21位とランク外であり出遅れ感は否めません。しかし、日本は風力発電の適地も少なくなく、島国であることから洋上風力の導入も期待されており、いくつかの大規模プロジェクトが計画されています⁽⁴⁾。海外に合わせて風力発電を増やす必要はありませんが、発電の平準化を行う観点からも太陽光・風力をバランスよく設置するのが望ましく、今後の普及が期待されます。

水力導入量

最後に水力発電です。こちらも、やはり中国が他を圧倒しています。大河があることから水力発電に向いた立地であり、急激な経済成長に伴う電力需要を支えるために、大型の発電プロジェクトがいくつも立ち上がっています。また、2位のブラジルは電力需要の64%を、3位のカナダは58%を水力が占めています（これも、豊富な水資源によるものです）。日本は9位と比較的高い順位です。

まとめ

世界の再エネ発電の割合は、水力6割・風力2割・太陽光1割となっています。また、再エネ導入量は中国・アメリカの量が多く日本は5位です。発電量に占める再エネの割合は、ヨーロッパが圧倒的に高く20%を超える国が多い中、日本は11.7%とまだまだ導入の余地があります。太陽光発電の導入量は、日本は世界第3位と善戦していますが、風力発電の導入量はあまり多くありません。

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